九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

春の味

イカスミ汁

濃厚なイカスミが
味わい深い
滋味満点の真っ黒な
汁物料理

イカスミ汁

初めて目にすると、真っ黒な色に驚く。その色はイカスミの色。『イカスミ汁』はイカスミを使った汁物で、沖縄では昔から親しまれている郷土料理だ。

黒い汁の中に入っている基本的な具材は、イカ、豚の三枚肉、沖縄では『ニガナ』と呼んでいる『ホソバワダン』などの葉物野菜。島豆腐や、その他の野菜が入れられることもある。イカは、沖縄では『白イカ』と呼ばれる『アオリイカ』がよく使われている。葉物野菜以外を、昆布出汁などで煮込んだ後、具材としても使う『アオリイカ』のイカスミを加える。イカスミ自体に濃厚で独特な味わいがあるので、調味料としては仕上げに塩を少し入れる程度。『イカスミ汁』の味は、イカスミの質と量で決まる。最後に葉物野菜を入れてできあがりだ。

イカスミの旨味がからまったそれぞれの具材も美味しいし、イカや三枚肉の旨味が溶け出した汁そのものも美味しい。見た目からは想像できない、コクのある滋味深い味わいは、口の中や、まわりが黒くなってしまうことを忘れさせてしまうほどだ。

イカスミもニガナも、様々な栄養や効能を持つと言われている。『イカスミ汁』は、旨いだけではなく、沖縄の方々の元気を支えてきた料理でもあるようだ。

ニガナについて

『ニガナ』の正式名称は『ホソバワダン』。カルシウム、ポリフェノールなど、様々な栄養素を含んでいる。沖縄では昔から薬草として利用されている。