九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

冬の味

とんこつ

味付けの素は、
味噌、黒砂糖、芋焼酎
三つの甘味が生み出す
濃厚な豚肉料理

とんこつ

“とんこつ(豚骨)”と表現されるが、骨を食べる料理というわけではない。ラーメンのスープに関係しているものでもない。豚の骨付きあばら肉を使う、豚の角煮に似た鹿児島の郷土料理だ。正式な名前は『とんこつ料理』だが、鹿児島では『とんこつ』と呼ばれている。家庭でも作られ、スーパーマーケットなどでも売られているほど鹿児島では馴染みの深い料理だ。薩摩武士たちが戦場や狩場などで作ったのが始まりと言われ、別名『武骨煮』と言われることもある。かの西郷隆盛も大好物だったのだという。

ぶつ切りにした骨付き豚肉を、一度焼いたり湯に通すなどして余分な脂分を落とした後、鍋の中で煮込む。味付けに欠かせないのは味噌、黒砂糖、芋焼酎。コトコトとゆっくり煮込んでいき、濃い飴色になって身がやわらかくなったらできあがり。いずれも独特な甘味とコクを持つ味噌、黒砂糖、芋焼酎の3つの風味と豚肉の旨味が重なり、芋焼酎にもごはんにもよく合う濃厚な味わいが生まれる。

鹿児島で馴染みのものをうまく組合わせてできあがった『とんこつ』。豚肉の臭みを抜き、身をやわらかくする役目もある芋焼酎なしには生まれなかった鹿児島の味だ。

黒糖

サトウキビの絞り汁を加熱し、濃縮したものを固めたもの。糖分は低いが独特の甘味を持つ。鉄分やカルシウムなどのミネラルを多く含み、低カロリー&高ミネラルの健康食

西郷隆盛

幕末から明治にかけて活躍した西郷隆盛の終焉の地は鹿児島市中心部にある『城山』。たてこもった西郷隆盛は、この地で好物の『とんこつ』を食べることができただろうか。