LOCAL FOOD CONTENTS
「九州の味とともに」
守り伝えられてきた九州の郷土料理


安心院で古くから
知られる美味
豊富なコラーゲンと
滋味満点のスープ
すっぽん鍋
太古の時代、沼地だった安心院地方。300~400万年前のすっぽんの化石も出土しており、古来からすっぽんの生息地だった。
“安心院にすっぽんあり”が知られるようになったのは、安心院出身の政治家・木下謙次郎氏が記した『美味求真』(1925年初版発行)に登場してから。すっぽんは『肉の香味は実に天下匹傅(ひっちゅう)するもの少しと云ふ』~肉の美味しさは世の中に匹敵するものが少ない~と書かれている。
安心院には津房川などが流れ、今もすっぽんが生息している。現在は安心院を中心にした地域で養殖されたものを料理に使うことも多いが、新鮮なすっぽんに変わりはない。コース料理には活血、身や肝臓の刺身も登場する。そしてメインは『すっぽん鍋』。甲羅や身をじっくりと炊いた後、プルプルのゼラチン質がついたコラーゲンたっぷりの身や、コラーゲンそのものと言えるエンペラ(甲羅の縁の部分)をいただく。スープに味をつける店もあれば、ポン酢でいただく店もある。さらに野菜をいただき、〆は雑炊。すっぽんの旨味が溶け出した滋味深いスープは最後の一滴までいただきたい。
コラーゲンに加えて、アミノ酸やミネラルも豊富に含む、『すっぽん鍋』。美容にも健康にも効果がある料理として、注目も人気も高まっている。