LOCAL FOOD CONTENTS
「九州の味とともに」
守り伝えられてきた九州の郷土料理


もちもちとした
「だご」入りの
身も心も温まる
素朴な汁料理
だご汁
“だご”とは、小麦粉と水を混ぜ合わせてこね、のばして帯状に切ったもの(米粉や、そば粉を使ったり、手でちぎって作るだごもある)。この“だご”と野菜がたっぷりと入った味噌風味の汁料理が『だご汁』だ。簡単に作れて腹持ちがよく、栄養価も高いことから、元々は日々忙しい農家で食べられていた料理だが、今では熊本県を代表する郷土料理の一つになった。阿蘇市を東西に貫く国道57号線沿いにはだご汁を提供する店が特に多く、『だご汁街道』とも呼ばれているほどだ。
出汁の中に、サトイモやニンジンなどの野菜を入れ、煮立ったら“だご”の生地を投入。“だご”に火が通ったら、味噌を溶き入れてできあがり。野菜の旨味と味噌の風味の中にある、もちもちとした食感の“だご”は、独特な味わいだ。味噌を使ったものが主流だが、醤油ベースでも作られている。七味唐辛子や柚子こしょう、阿蘇地区で昔からよく作られている『しその実の塩漬け』などの薬味を入れても美味しい。
日々の暮らしの中で食べられ続けてきた素朴で飽きることのない『だご汁』。やはり阿蘇の素朴な郷土料理である『高菜めし』と一緒に味わいたい。