九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

冬の味

ドゥルワカシー

琉球王朝の宮廷料理に
ルーツを持つ
泥の中で育つ田芋を
使った素朴な味

ドゥルワカシー

不思議な名前は沖縄の言葉で直訳すると“泥沸かし(泥を煮る)”という意味。材料の中心となる田芋(たいも)は田んぼの中で育ち泥だらけであることから、その名がついたと言われている。元々は琉球王朝で食べられていた宮廷料理の一つだ。

田芋と田芋の茎をゆでて(あるいは蒸して)アク抜きをする。その後、つぶした田芋と、細かく切った茎に豚肉などの具材を合わせ、出汁や調味料を加えて火を入れながらじっくりと練り上げていく。ほどよく粘りが出たらできあがり。見た目は里芋に似ているがまったく違う田芋独特の風味ともっちり感。その中に出汁の旨味が広がる素朴でやさしい味わいだ。出汁はカツオ出汁や豚出汁が使われることが多い。調味料は基本的には醤油や砂糖などだが、様々な旨味が凝縮しているラフテーの煮汁が使われることも多いようだ。

沖縄では田芋は『ターンム』、茎の部分は『タームジ』と呼ばれることが多い。また、栽培時、親芋のまわりにたくさんの子芋ができることから、『ドゥルワカシー』は子孫繁栄を願い、昔から祝い事やお正月の席でよく食べられている。最近では、『ドゥルワカシー』をまるめて揚げた料理『ドゥル天』もよく知られている。