九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

夏の味

呉豆腐

プルプルもっちりした
食感の中に
トロリと広がる
大豆の旨味

呉豆腐

水に浸した大豆をすりつぶしたものは“呉”と呼ばれる。“呉”を炊いた後、それを絞って、豆乳とおからに分ける。豆乳に葛やデンプンを混ぜ、熱を加えながらゆっくりと練りあげてできあがるのが『呉豆腐』だ。豆乳にニガリを加えてつくる一般的な豆腐とは違う、トロリとしてプルプルもっちりとした食感を持つ。デンプンの加え方、練りかたが食感を大きく左右するため、作り手は工夫をこらしている。

昭和の初め、大豆の買付けに長崎を訪れた有田の豆腐屋が、中国人から葛を使った豆腐を聞き習ったのが始まりと言われている。精進料理の一品として有田で食べられるようになり、やがて呼び名は『呉豆腐』に。今では、普段の食卓にものぼるようになり、有田の郷土料理として知られるようになった。

すりゴマ、砂糖、醤油などで作る少し甘めのゴマ醤油をかけていただくのが一般的な食べ方だが、ワサビやショウガを合わせても旨い。最近では黒蜜やきなこをかけデザート感覚で食べる食べ方も広まっている。直接タレや蜜をかけて食べる以外に、天ぷらにしたりフライにしても美味しい。

佐賀の大豆

佐賀県は全国でも上位に入る大豆の産地。タンパク質の含有量が高く豆腐づくりに適した『フクユタカ』を中心に大豆が栽培されている。

有田町

佐賀県西部に位置する西松浦郡田町は、有田焼の産地として有名。ゴールデンウィークに開催される『有田陶器市』には、毎年100万人を越える観光客が訪れ街はにぎわう。『佐賀県立九州陶磁器文化館』や『有田ポーセリンパーク』などでは、常時、匠の技から作られた器にふれることができる。