LOCAL FOOD CONTENTS
「九州の味とともに」
守り伝えられてきた九州の郷土料理


サクッとした衣と
ジューシーな肉
冷めても美味な
からあげ
中津からあげ
福沢諭吉が育った地として知られ大分県北部に位置する中津市。この地で1970年代から親しまれている料理が鶏のからあげ。
最近では『中津からあげ』として全国的にも知られ、中津市内では約30の専門店を含め、肉屋、惣菜屋、居酒屋など多くの店でからあげが提供されている。中津の方々にとってからあげはどちらかと言えば“作る”ものではなく“買う”もので、人が集まる時には欠かせない。中津にからあげが根付いた理由として、かつて中津に多くの養鶏場があって鶏肉が手に入りやすかったという説や、戦後に旧満州からの引揚者が中国の鶏料理を再現したからといった説がある。
ぶつ切りの鶏肉にニンニク、ショウガ、塩、醤油などを合わせた各店特製のタレをもみ込んでねかせた後、片栗粉をまぶして揚げる。揚油は新しい油を継ぎ足しながら使われており、油も味を深める調味料のひとつとして考えられているようだ。鶏肉そのものに味がついているので、揚げたてはもちろん、冷めても美味しく、弁当のおかずに入れられることもある。味噌汁に入れたり甘辛く煮付けたりして食べるのも中津では一般的だ。
からあげにする鶏肉は、当初は骨つきのもも肉のみだったが、現在では骨なしのもも肉、むね肉、手羽先、手羽元、砂ずりなどバリエーションが増えている。