九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

夏の味

雉子めし

雉子の肉とガラ出汁の
旨味が染み込んだ
濃厚な味わいの
炊き込みごはん

雉子めし

雉子はクジャクに似た美しい鳥で、玖珠(くす)エリアや国東(くにさき)エリアなど、大分の山間に生息している。各家庭で飼育し祝い事の時等に食べられていた鶏とは違い、野生の雉子は捕獲することも飼育することも難しいため、雉子はとても貴重な食材として食べられていたとのこと(一羽あたりから取れる肉の量も鶏に比べて少ない)。雉子の代表的な食べ方が『雉子めし』だ。

まず、雉子のガラをアクをとりながら時間をかけて炊き、出汁をとる。出汁は鶏ガラよりも濃厚だ。その濃厚な出汁を甘辛く味付けした煮汁で雉子肉、ニンジン、タケノコ、しいたけ、ゴボウなどの具材を煮込む。味の染み込んだ具材を米と一緒に炊くという作り方と、具材と炊きあがった白ごはんを最後に混ぜ合わせるという作り方がある。また、水の代わりに雉子出汁を使ってごはんを炊くという方法もある。いずれの作り方でも雉子独特の旨味がごはんに染み込み、鶏めしとは違うコクと味わいを持つ。

野生の雉子の肉はかたいが、現在、料理に使われている雉子は養殖されたもので、やわらかくて食べやすい。クセがなくさっぱりとしていながら濃厚な旨味を持つ。最近は低カロリー・高タンパクな肉であるという点も注目されている。