LOCAL FOOD CONTENTS
「九州の味とともに」
守り伝えられてきた九州の郷土料理


肉厚の生しいたけを
炭火で焼く
塩とカボスで引き立つ
旨味
しいたけの炭火焼き
大分県は日本でも有数のしいたけの生産地。クヌギなどの原木にしいたけ菌を接種してしいたけを作る原木栽培の割合が他の地方に比べて高い。原木栽培のしいたけは、肉厚で香りも高く、焼いて食べると美味。『しいたけの炭火焼』が大分でよく食べられている理由だ。居酒屋の一品メニューにもあるし、郷土料理コースの一品として出す店もあるほど親しまれている。
料理はしいたけに塩をして炭火で焼くだけといたってシンプル。それだけに、素材であるしいたけの味わいがストレートに伝わる料理だ。産地、大きさ、形、色など、作り手は炭火焼に適したしいたけを日々吟味する。
焼く時のポイントは、焼きすぎないことと、ひだがあるかさの裏側に現われる水滴。水滴が現れた後の焼き方は作り手によって異なるが、『水滴が下に落ちないようにすること』は変わらない。しいたけの旨味成分も入っているからだ。
香りが立ちのぼる焼き上がったしいたけに、大分特産のカボスを絞るとさらに味わいが増す。香りと弾力感のある歯応えは、新鮮な大分産生しいたけならではのもの。初めて食べる人にとっては、それまでのしいたけの概念が変わってしまうほどのものだ。
カボス
刺身や焼き魚にかけたり、ポン酢の素にしたりと、大分県全体で様々な料理に使われている柑橘。熟す前の緑色のものを収穫してしぼり汁を使う。爽やかな酸味と香りが特徴だ。