九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

秋の味

にんじんしりしりー

にんじんの甘味を
卵でとじた
沖縄を代表する
家庭料理

にんじんしりしりー

「小さい頃からお弁当に入っていたし、いつも食べてるよ~」。沖縄のみなさんは、そう教えてくださる。ごはんのおかずとしてもつまみとしても食べられている『にんじんしりしりー』は、沖縄の食卓に欠かせない誰もが知っている家庭料理だ。

“しりしりー”とは、“すりすりする=すりおろす”という意味の方言。『しりしりー器』と呼ぶ専用の千切りスライサーでにんじんをやや太めの千切りにして、油で軽く炒めた後、蓋をして弱火で火を通す。にんじんに火が通ったら、塩やコショウなどで味付けし、溶き卵を合わせればできあがり。じっくりと熱を加えることでより甘味が増したにんじんに、フワリとからむ卵がよく合うし、にんじんのオレンジ色と卵の黄色で彩りも鮮やか。手軽に作れてカロテン等の栄養価が高いことも家庭でよく作られている理由だ。

沖縄では各家庭に必ず『しりしりー器』があるとのこと。そして、家々によってツナ、コンビーフ、豚肉、ニラなどが加えられることもある。小さい子どもからお年寄りまで、また、あまりにんじんが好きではない方からも愛されている『にんじんしりしりー』。沖縄の強い陽射しの中で育ったにんじんの美味しさを引き出す料理でもある。

しりしりー器

『にんじんしりしりー器』とも呼ばれる『しりしりー器』は、沖縄の様々な場所で売られている。 公設市場近くにある『ミヤギミート』には4穴から7穴まで穴のサイズが違う『しりしりー器』が販売されている。4穴は細めのフライドポテト、7穴はキンピラの太さというイメージとのこと。家庭で『にんじんしりしりー』を作る時は6穴がおすすめだが、飲食店では5穴が使われることが多いのだそうだ。