九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

冬の味

がめ煮

正月料理にも
欠かせない
おふくろの味
博多っ子に愛される
具沢山の煮物料理

がめ煮

『がめ煮』は素朴な味わいの煮物料理で、博多を中心とした福岡県でよく食べられている郷土料理。一口大に切った鶏肉、ゴボウ、ニンジン、サトイモ、レンコン、コンニャクなどの素材を、油で炒め、カツオ出汁やコンブ出汁に醤油や砂糖などを加えた煮汁でコトコトと煮込んでいくのが基本的な作り方。初めに油で炒めるところが、いわゆる“煮物”とは違うところ。元々は冬に旬を迎える野菜を使う冬の料理だったが、今では素材がいつでも揃うので、一年中食べられている。福岡県以外では、筑前煮と呼ばれることが多い。

文禄の役の時に、朝鮮に出兵した兵士がすっぽんを煮込んで食べたことから『亀煮』が『がめ煮』となったという説や(現在では鶏肉を使い亀を使うことはない)、博多弁で“寄せ集める”という意味の「がめくりこむ」が名前の由来とも言われている。野菜がたっぷりと使われ、具沢山で栄養満点、根菜類が多く入っているので食物繊維も豊富だ。

博多では正月料理にも欠かせないが、毎日食べても食べ飽きないやさしい味わいで、日々の食卓にも寄り添っている『がめ煮』。食材や味付けは家々で少しずつ異なり、まさに“おふくろの味”なのだ。

筑前煮

福岡県西部はかつて『筑前国(ちくぜんのくに)』だった。そこで食べられる料理であることから、筑前国以外の場所では、『筑前煮』と呼ばれるようになったようだ。

福岡市の鶏肉消費量

総務省が集計した、都道府県庁所在市と政令指定都市における平成20~22年の1世帯当たり(2人以上の世帯)の年間鶏肉購入量ランキングで、福岡市は第4位となっている。1世帯当たり年間購入量が17.808kgという数値だ。この数値は、福岡の郷土料理である『がめ煮』『水炊き』も影響を与えているようだ。