九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

冬の味

とり天

下味、揚げ方、
タレにも一手間…
衣で旨味を包みこんだ
鶏肉の天ぷら

とり天

『とり天』はその名のとおり“鶏肉の天ぷら”のこと。家庭でも店でも、大分県では広く知られる郷土料理。その起源は昭和30年代と言われ、特に大分市と別府市を中心によく食べられている。弁当屋やスーパーでも普通に取り扱われているほどだ。

骨をはずして1~2口大に切った鶏肉に醤油やニンニクなどを加えて下味をつけ、衣をつけ、油で揚げればできあがり。一見、単純な料理にも思えるが、味の幅は広い。使う鶏肉の部位や下処理の仕方、下味に使う調味料や漬けこむ時間、サクサクやふんわりといった食感を出すための衣や揚げ方に対する工夫…。天ぷらやから揚げとは違い、衣に卵を多めに使うことが、とり天ならではのふんわり感を出す秘密のようだ。

アツアツの『とり天』は、薬味として添えられている辛子などと一緒に、タレ~酢醤油、ポン酢、天ツユなど~につけてからいただくのが一般的な食べ方。このタレにも作り手の創意工夫が込められている。

ジューシーでボリューム感のある料理だが、さっぱりとしたタレの味の力で、最後まで美味しく食べられる。大分特産のカボスが添えられていることも多く、爽やかなカボスの香りも食欲をそそってくれる。