九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

冬の味

桜島大根

大きいけれど、キメは
細かく甘い味わい
鹿児島に冬を知らせる伝統野菜

桜島大根

鹿児島のシンボルであり、今も噴煙をあげる桜島を中心に栽培されている『桜島大根』。稲作には向かない火山灰土壌を利用し、江戸時代には既に栽培されていたようだ。ギネスに認定された世界最大の大根であり、通常でも5~10kg、大きなものになると30kgを超えるものもある。鹿児島では、形や重さなどを競う『世界一桜島大根コンテスト』も開催されている。
表面も内部もきめ細やかで、生でも甘味が強く、辛味が少ないのが特徴。煮くずれしにくく、おでんやブリ大根、ふろふき大根などの煮付けにするにはうってつけで、鹿児島では冬の時期に郷土料理『とんこつ』の具材として使われることも多い。漬物や下ゆでして天ぷらにしても美味。刺身のツマとしても用いられる他、粗めの千切りのようにしたものは『つっでこん』と呼ばれ、『がらんつ(鹿児島の方言で、小型のイワシの干物のこと)』に添えられることも。口にすれば、一般の大根とは違う繊細な食感と味わいを感じることができる。
寒い日を迎えることで甘みが増すという『桜島大根』。旬の時期は12月~2月と食べられる期間は短いが、鹿児島の冬に欠かせない食材の一つだ。