LOCAL FOOD CONTENTS
「九州の味とともに」
守り伝えられてきた九州の郷土料理


暑い夏によし、
飲んだ後の〆によし
宮崎の素朴な
ぶっかけ飯
冷汁(冷や汁)
冷汁は、南国・宮崎の暑い夏を乗切るために食べられている家庭料理。主に大淀川水系で農作業を行なう人々の間で食べられていたようで、現在も宮崎市を中心に食べられている。似たような料理が大分、四国などにもあり、鹿児島で生まれて、宮崎をはじめ西日本各地に伝わっていったという説もある。
味噌とアジやカマスなどの炙った魚の身をほぐしたものを合わせ、すり鉢ですりつぶして冷汁の素をつくる。それを冷えた出汁や冷水でとき、輪切りにしたきゅうり、ほぐした豆腐、大葉、胡麻などを入れて熱いごはんにかければできあがりだ。
口の中にかきこむと、味噌の香りの中に胡麻の風味やきゅうりのシャキシャキ感が広がって、さらりとおなかにおさまっていく。簡単に作れる上に、栄養が豊富で、食欲のない時でも食べやすい。暑い宮崎で今でも愛され、食べられ続けている理由だ。
細かな作り方や具材は作り手によって異なるが、共通するやわらかな味わいは飲んだ後の〆にもぴったり。今宵も宮崎のしょっちゅくれたち(焼酎好きたち)は、芋焼酎でほろ酔いになった後、冷汁を食して一日を終える…。