九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

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LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

夏の味

生うに丼

壱岐の海が育てた
濃厚なうにの旨味を
ごはんと一緒に味わう
シンプルな丼

生うに丼

福岡県と対馬の中間に位置する壱岐島は、玄界灘に面し水産資源に恵まれている。漁が解禁となる5月から夏にかけて旬の時期を迎えるうに。海岸では潜水服ではなくカラフルなレオタードを着て海に潜る海女(あま)の姿を見ることができる。生うにを使った丼が『生うに丼』で、海士(あま)と呼ばれる男性の潜り手がよく食べていたという、シンプルかつぜいたくな料理だ。壱岐では『生うにのぼっかけ丼』とも呼ばれていた。

ムラサキウニや、より濃厚な香りと旨味をもつアカウニなどの身(正確には生殖腺で、精巣と卵巣のこと)をごはんの上に丁寧にのせ、刻み海苔やわさびを添えればできあがり。鮮やかな黄金色、口の中に広がるとろりとした食感、濃厚な香りと旨味は新鮮であればこそのもの。特製のタレをかけて食べると、うにの甘みがより引き立つ。また、壱岐の海はカジメと呼ばれる海草が豊かで、うにの餌となっている。それも壱岐ならではの濃厚なうにの味が生まれる理由の一つのようだ。

うにを使う料理として、生うにを米と一緒に出汁で炊き込む『うにめし』、生うにを混ぜた卵焼き『厚焼き』もよく知られている。また、『がぜ』と呼ばれるバフンウニの身をゆでて味噌と合わせた『がぜ味噌』も壱岐に伝わる郷土の味だ。