九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

九州の食探求メディアKyushu Food Discovery Media

LOCAL FOOD CONTENTS

「九州の味とともに」

守り伝えられてきた九州の郷土料理

夏の味

別府冷麺

戦後、旧満州から
別府に伝わり
和風にアレンジされた
韓国冷麺

別府冷麺

旧満州(現在の中国東北部)は国境に近いため朝鮮の食文化が広がり、朝鮮冷麺(今で言う韓国冷麺)も食べられていた。戦争の被害が少なかった別府には、戦後、旧満州から多くの人が引き揚げてきたが、その中にいた料理人が1950年頃に別府で冷麺店を始めたと言われている。その味は日本人の口に合うよう、和風にアレンジされていった。地元では単に『冷麺』と呼ばれているが、ご当地グルメとして『別府冷麺』とも呼ばれるようになった。現在、専門店、焼肉店、居酒屋など30店舗以上で食べることができる。

そば粉も使ったコシのある麺の上に、チャーシュー(牛肉のことが多い)、キムチなどがのせられ、昆布やカツオ出汁をベースにしたスープを注げばできあがり。麺は注文が入ってから製麺機で麺を押し出す店も多く、店ごとに太さが異なる。キムチは、専門店ではキャベツ、焼肉店では白菜を使うことが多いようだ。冷麺を温かくした『温麺』も別府で親しまれている一品で、スープにごま油を加え、キムチを別添えにすることが多い。

喉越しがよくコシの強い麺と、上品なスープの味と香りの中にキムチの刺激的な辛さが広がる『別府冷麺』。食事としても、飲んだ後の締めとしても食べられている。さっぱりした味わいから、飲み過ぎた次の日に食べる人も多いようだ。また、夏だけではなく冬にもよく食べられている。

温麺について

冷麺専門店には、『温麺』というメニューもある。具材や麺などは冷麺と同じで、スープも麺も温かい料理だ。スープにはごま油が加えられ、キムチは別添えされていることが多い。