LOCAL FOOD CONTENTS
「九州の味とともに」
守り伝えられてきた九州の郷土料理


食感と甘酸っぱさを
楽しむ
佐賀の夏に
欠かせない酢の物
にいもじ
佐賀市を中心に広がり、米どころとして知られる佐賀平野。水を張った畑(水田)ではサトイモの一種である水芋も栽培されている。水芋の芋茎(ずいき/親芋と葉をつなぐ茎のように見える部分)を使った佐賀の郷土料理が『にいもじ』だ。
薄い緑色をした芋茎の表面についている薄皮をはいで適当な大きさに切る。水や酢水につけてアク抜きした後、砂糖、酢、醤油、唐辛子などを合わせた煮汁と一緒に数分煮こんでできあがり。煮過ぎると芋茎がやわらかくなり食感がなくなってしまうので、煮過ぎないことが作り方のコツだ。冷やして食べるとシャキシャキした食感で清涼感があり、甘酸っぱい味わいは焼酎のつまみにもぴったり。芋茎が収穫される夏に食べられ、特にお盆の食卓には欠かせない料理とのこと。また、水芋の芋茎は『にいもじ』以外では、味噌汁に入れたり炒めたりしても食べられている。親芋はサトイモよりも淡白な味わいで、食べることはあまりないのだそうだ。
『にいもじ』という不思議な響きの名前は、芋茎のことを佐賀では『いもじ』と呼ぶことから、「煮」た「いもじ」ということに由来しているようだ。