LOCAL FOOD CONTENTS
「九州の味とともに」
守り伝えられてきた九州の郷土料理


独特の香り、
シャキッ、ピリッ
島人の宴に
欠かせないつまみ
島らっきょう
『島らっきょう(塩漬け)』は、公設市場など店先で売られていると、少し離れたところからでも強い香りが漂ってきてすぐにわかる。独特の香りとともに、口にするとシャキッとした歯ごたえとピリッとした辛みが広がり、焼酎のつまみにぴったりだ。
『島らっきょう』は沖縄で育つらっきょうのこと。
主に、北部の離島である伊江島(いえじま)や南部の糸満市(いとまんし)で栽培されている。伊江島産のものは特に香りや味わいがいいということで、料理人たちに重宝されているようだ。
形は通常知られているらっきょうより、小ぶりで細長い。甘酢に漬けるらっきょう漬けとして食べることはなく、塩漬けが沖縄での食べ方。根と緑色の茎を取り除き、白い部分の薄皮をむいて塩をまぶしてねかせる。塩の使い方、漬け方、ねかせ方などによって、作り手によって味わいが異なるところが奥深い。塩漬け以外には天ぷらにしたり、炒めものにしたりもする。
ほどよくねかせた『島らっきょう(塩漬け)』には削り節がふりかけられる。そのまま食べても、少し醤油をかけても美味。島人(しまんちゅ/沖縄に暮らす人々)にとって、『島らっきょう(塩漬け)』は宴の最初の一品として、なくてはならないつまみだ。