LOCAL FOOD CONTENTS
「九州の味とともに」
守り伝えられてきた九州の郷土料理


肉の旨味、脂の甘味、
独特の食感…
美しい色合いと
ともに広がる美味
馬刺し
加藤清正公の時代から、熊本では滋養強壮の源として食べられていたという話もある『馬刺し』。熊本ではスーパーの食肉売場などにも並び、今もよく食べられている郷土の味。熊本以外では、東北地方や長野県、山梨県でも『馬刺し』を食べる習慣があるようだ。馬肉は、高タンパク、低脂肪、低カロリーであることや、鉄分を多く含む食材として、近年注目されている食材でもある。
通常『赤身』と呼ばれるモモ肉など、肉そのものも、やわらかで旨味満点だが、サシ(脂)が入った霜降り肉(主にバラ肉)は、また格別な味わい。肉の旨味と脂の甘味を感じた後、口の中でとろけるようだ。スライスされたタマネギと、おろし生姜、おろしニンニク、ネギなどの薬味、甘めの醤油が、その味をさらに高めてくれる。料理人が切った後は美しい桜色。馬肉を別名『桜肉』と呼ぶ由縁だ。しかし、馬肉は酸化しやすく時間が経つと色が黒くなってしまうので、料理人たちは早く食べることを勧める。
肉にも、様々な部位があり、味わいに違いがあるが、肉以外にも、熊本では珍しい部位を食べられる店が多い。ゴマ油と塩で食べる「サクップルッ」のレバー刺し、「コリコリッ」のコーネ刺し(タテガミの根元の脂肪)など、肉とは違う食感と旨味を持っている。